光商工会議所「山口県内補助員等研修会」で登壇しました

先日、光商工会議所が主催された「山口県内補助員等研修会」にて、eachvista株式会社 代表取締役・池ケ谷周平が「マーケティング支援について」をテーマに登壇しました。

本研修では、県内企業をサポートする補助員の皆さまに向けて、次のポイントを事例を交えながら解説しました。

  1. マーケティングとは何か

  2. なぜ地域企業にマーケティングが必要なのか

  3. 企業支援の現場で、何から考えればよいのか


講義テーマ

マーケティングは「売り方のテクニック」ではなく、勝ち筋を一緒に探すプロセスである

講義の冒頭では、日本マーケティング協会の定義にも触れながら、

「誰に、何を、どう届けるかを整理し、企業の勝ち筋を見つけていくことがマーケティングである」

というシンプルな考え方をお伝えしました。

地域企業が目指す目的の例として、次の3つを紹介しました。

  1. 売上をつくる(収益の確保)

  2. 認知を高める(知ってもらう)

  3. 採用を強くする(人に選ばれる)

これらの目的に対して、「なんとなくSNS」「なんとなく広告」ではなく、目的、戦略、戦術を明確に整理する重要性を強調しました。


地域企業を取り巻く3つの課題

池ケ谷は、各地の中小企業を支援する中で、地域のマーケティング環境に関する3つの課題を共有しました。

  1. 情報量と情報質の不足
     ネットには情報が多いように見えるが、地域企業が実務で使える本当に役立つ情報は少ない。

  2. 社内にマーケティング機能がない
     専任担当者が不在で、経営者や総務が片手間でマーケティングを担っている。

  3. 支援側プレイヤーの不足
     山口県内ではマーケティング支援を行う事業者が少なく、企業と伴走しながら育てられる環境が整っていない。

今回の研修を通じて、「マーケティングを理解し、地域企業に伝えられる補助員を増やしたい」という想いをお伝えしました。


マーケティングの基本プロセス

目的 → 分析 → 戦略 → 施策

企業支援の現場でも活用できるよう、マーケティングの基本プロセスを次の順番で整理しました。

  1. 目的設定
     マーケティングを行う理由を明確にする。
     例:新規顧客数の増加、県外売上の拡大、採用応募数の増加など。

  2. 分析(環境、顧客、競合、自社)
     特に3C分析を軸に整理する。
     Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)。
     顧客の属性、行動、価値観、競合の強みや弱み、自社の資源や独自性を把握する。

  3. 戦略(誰に、何を、どのポジションで提供するか)
     セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング(STP分析)を通して、市場の中での立ち位置を決める。

  4. 施策(4Pなど)
     Product(どの商品を提供するか)
     Price(いくらで提供するか)
     Place(どこで提供するか)
     Promotion(何をどう伝えるか)

多くの企業が目的や戦略がないまま、「とりあえずSNS運用」「とりあえず広告出稿」をしてしまう現状をふまえ、まず「なぜその施策を行うのか」を言語化する重要性をお話ししました。


事例紹介:地域の醤油屋におけるX(旧Twitter)運用

講義では、地域の醤油屋を支援した事例を紹介しました。

フォロワー数は約1年で、500人から1万1000人以上へ増加しました。
しかし、目的はフォロワー数の増加ではなく、県外需要の創出と認知の拡大でした。

そのため、次のような方針で運用しています。

  1. 味だけで勝負しない

  2. 醤油の使い方、開発背景、ユーモアある発信を行う

  3. 県外ユーザーにまず興味を持ってもらうことを最優先にする

ここでも繰り返し伝えたのは、「目的 → 戦略 → 戦術」の順番で考えることの重要性です。


バリュープロポジションと「らしさ」の発見

自社分析のパートでは、次の3つを掛け合わせて考える「バリュープロポジション」を解説しました。

  1. 顧客

  2. 競合

  3. 自社

「この会社、この商品でなければ提供できない価値は何か」を深掘りするために、次のような質問を投げかけることの重要性を紹介しました。

・顧客が困る場面は何か
・顧客が本当は避けたいものは何か
・競合の弱点はどこか
・自社が自然にできていることは何か
・創業ストーリーや譲れない価値観は何か

こうした問いを通じて浮かび上がる「らしさ」の追求は、価格や機能では測れない「選ばれる理由」づくりにつながります。


人間理解にもとづくマーケティング

後半では、さまざまな商品やブランドの事例を通じて、人間理解の重要性を説明しました。

・爽健美茶やいろはすなど飲料ブランドのポジショニング
・透明な醤油や怪獣レモンなど、業界の常識を変えた商品開発
・スターバックスの「サードプレイス」戦略
・Apple、LUSH、コカ・コーラなど、ブランドで選ばれる企業の考え方

これらを踏まえ、ニーズ(表に出ている要望)とインサイト(言葉にならない本音や感情)を分けて捉える視点を共有しました。

エナジードリンクの例では、

・表のニーズ:集中力を高めたい
・インサイト:頑張っている自分でいたい、限界に挑戦している感覚がほしい

といった感情の背景が、打ち出し方やコピーに大きく影響することを説明しました。


マーケティングは「人間理解」の学び直し

最後に池ケ谷から、「マーケティングとは突き詰めると人間理解である」というメッセージをお伝えしました。

心理学、哲学、行動経済学、消費者行動論、歴史など、人を理解する学問に触れ続けることが、支援者や経営者にとって大きな武器になると締めくくりました。


おわりに

今回の研修を通じて、

・マーケティングは人間くさい営みであること
・SNSや広告より先に、目的とターゲットを考えることの大切さ

この2点を持ち帰っていただけていれば幸いです。

eachvista株式会社では、山口県内外の中小企業に対して、

・マーケティング戦略立案
・デジタルマーケティング支援
・採用支援(SNSスカウトなど)
・コミュニティ運営やセミナー登壇

を通じて、伴走型の支援を行っています。

今後も、地域の皆さまと共に、マーケティングを通じた企業の前進を支えてまいります。

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